脳血管疾患

脳血管疾患

脳血管疾患には血管が詰まる虚血性脳卒中と破れるか出血性脳卒中の2つがあります。

虚血性脳卒中は心原性脳塞栓症、アテローム血栓性脳梗塞、ラクナ梗塞の3つに分類します。
出血性脳卒中は脳出血、くも膜下出血の主に2つがあります。
他に頭蓋内出血として急性硬膜外血腫、急性硬膜下血腫、慢性硬膜下血腫があります。
他に一過性脳虚血発作、脳動脈解離、可逆性脳血管攣縮症候群があります。

心原性脳塞栓症

心房細動という不整脈が原因で起こる脳梗塞です。重症脳梗塞になることが多く、第一に予防が重要です。心房細動を認めた場合、心原性脳塞栓症の予防のため抗凝固薬の適応を判断します。心房細動に対するカテーテルアブレーション治療を考慮します。

アテローム血栓性脳梗塞

高血圧、脂質異常症、糖尿病、喫煙等の動脈硬化が原因で起こる脳梗塞です。一次予防、二次予防は抗血小板薬が主体です。
・バイアスピリン(アスピリン)、プラビックス(クロピドグレル)、他

ラクナ梗塞

200μm程度の穿通枝動脈の梗塞が原因で起こる脳梗塞です。原因は高血圧です。無症候性多発ラクナ梗塞は脳血管性認知症の原因です。一次予防、二次予防の主体は高血圧の管理です。

一過性脳虚血発作

脳卒中の前触れ症状です。急性心筋梗塞(AMI)と不安定狭心症(UAP)を急性冠症候群(ACS)とまとめて扱うのと同じように、脳卒中と一過性脳虚血発作(TIA)を急性脳血管症候群(ACVS)とまとめて扱い、早期診断、早期介入が重要です。一次予防、二次予防は抗血小板薬が主体です。
・バイアスピリン(アスピリン)、プラビックス(クロピドグレル)、他

頭部MRI・頸動脈エコー

頭部MRIとは脳の実質、脳梗塞の有無、脳出血の有無、腫瘍の有無等を調べる検査です。通常、MR血管造影(MRA)を同時撮影、脳血管の狭窄、閉塞、脳動脈解離の有無、脳動脈瘤の有無を評価します。

頸動脈エコーとは頸動脈プラーク(1.1mm以上)を調べる検査です。手術適応基準は症候性50%狭窄以上、無症候性70%狭窄以上を目安、頸動脈内膜剥離術(CEA)と頸動脈ステント留置術(CAS)があります。進行抑制はLDLの管理です。経過観察は年1回程度が目安です。